白内障手術について皆様からよくいただくご質問に

『(従来の)単焦点レンズがよいですか?それとも多焦点レンズがよいですか?』

があります。レンズの種類が増えてきて、皆さん悩まれますよね…

 

私は…

『その方その方の生活スタイルや仕事・趣味、見えることへの要求度によって異なります。』

とお答えしています。

 

 

 

『遠くも近くもメガネなしで見える』と言われる『多焦点レンズ』ですが、

まずは100点満点のどこでも良く見えるレンズではないと言うことをお伝えしたいと思います。

(20-30代の頃のどこでもよく見える見え方と比較すると90点くらいのものでしょうか…)

 

その上で単焦点レンズと比較して、多焦点レンズの良い点と良くない点を書いてみます。

 

【良い点】

①メガネを使う頻度がかなり減る

【良くない点】

①1か所の鮮明さは単焦点レンズにやや劣る

②グレア・ハローと言われる見え方の不具合の可能性がある(夜間運転などで著明)

③一部で多焦点レンズが合わない方がいる

④高額である(一般的に30~60万円程度)【単焦点:1万5千円~4万5千円程度】

 

こうしてみると、多焦点レンズが絶対的に良いレンズ…という訳ではないことが分かりますね。

 

実際に私が今手術をしなければならないとするならば『単焦点レンズ』を選びます。これは手術などを含め1か所を鮮明に見る必要があるからです。このようにお仕事で見る力が高度に必要な方(精密な専門職、色彩・画像関係職など)には単焦点レンズをお勧めしています。

 

また②の運転手さんなど夜間もよく運転をされる方は、多焦点レンズでは『グレア・ハロー』と言った光の見え方の不具合が生じる可能性があり、お仕事に支障を来す可能性があるため、お勧めしておりません。

 

また③のように、一見え方の違和感などを感じてお困りになる方が稀ですが一部いらっしゃいます。(遠近のコンタクトレンズが合わない方がいるようなイメージです) このような方は再度単焦点レンズに入れ替える手術が必要となる場合があります。

 

さらに、乱視が強い、特殊な乱視がある、瞳孔の大きさが極端に小さい、目の他の部位に病気や異常がある…などの方は、多焦点レンズの良さを十分に享受できない場合があります。

 

ただ、上記以外の場合で、それほど見え方の要求度が高くなく、できるだけメガネを掛けたくない方には『多焦点レンズ』が最適で、ほとんどの方々がほぼ眼鏡を使わずに裸眼で快適に過ごせると思いますので、是非お勧めしたいと思っています。

 

さらに、最近では見え方の質が高く、デメリットが少ない多焦点レンズ『Vivity(ビビティ)』も開発されました。

 

白内障手術におけるレンズの種類が豊富になり、選ぶのが難しくなってきていますが、皆様と個別にお話・相談の上で、ひとりひとりに最適な眼内レンズをご提供させていただき、喜んでいただけたらと思っています。

 

 

 

白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。

 

 

※『白内障手術についてよくあるご質問』: 

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