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緑内障とは

何らかの原因で目から脳への情報伝達を司る視神経が障害され、視野が狭くなったり、視力が低下・失明する疾患です。日本での中途失明原因の第1位であり、日本緑内障学会の報告で40歳以上の17人に1人(5.8%)、70歳以上の10人に1人が緑内障であるとされています。

緑内障は主に見ている中心部分ではなく、周辺部の視野から障害されることから、病気の進行を自覚することが非常に困難であることが問題となります。しかも、障害されて見えなくなった視野の部分を改善・回復させることは不可能で、今後の進行をできるだけ遅らせることしか出来ないのです。眼科受診や健康診断などでの早期発見・早期治療が非常に大切となります。

視神経が障害される病態は様々考えられますが、最も大きな要因は目の圧力である『眼圧』です。正常の眼圧でも緑内障を発症する『正常眼圧緑内障』の割合が全体の70%以上を占め、眼圧が正常でも緑内障になる可能性は十分にあり、眼圧のみならず、眼底検査・光干渉断層計(OCT)検査などの総合的な判断が必要となります。

緑内障のイメージ図

【緑内障のイメージ図】目の中の圧力(眼圧)により視神経が圧迫され徐々に障害されていくことがその病態です。

緑内障の眼底写真

【緑内障の眼底写真】視神経乳頭の下方の陥凹が拡大し神経線維層欠損を示す濃色化が認められます。

光干渉断層計(OCT)検査

【光干渉断層計(OCT)検査】緑内障に関わる神経層厚を測定することでより特異的・客観的で精密な診断・進行を評価。

視野検査

【視野検査】神経線維欠損領域に一致して見えない視野領域が黒色で示されている。自覚的診断・進行を評価。

緑内障の治療

緑内障の原因の主体は『眼圧』と考えられていますので、治療はその圧力を下げることが主流です。様々な眼圧下降機序の優れた『点眼薬』が存在しますので、多くの場合その点眼薬を組み合わせることにより進行・増悪を防ぐことが可能となっています。

しかしながら一部の緑内障の場合、点眼薬を組み合わせても眼圧が下がらない、または最大限眼圧を下降させても視野が増悪することがあります。薬剤治療で限界となれば『手術』により眼圧を下げることを選択する必要性が生じてきます。

緑内障の手術

緑内障の手術には主に以下の2つの方法があります。どちらも目の中の水(房水)の目の外への排出を増加させることで眼圧下降を目指すものです。

  • 流出路再建術:目の中の水が出ていく排水管への目詰まりや流れにくさを解消し、排水を促す
  • 濾過手術(バイパス):本来の流出路(排水管)ではなく、別に流出路(バイパス)を作成し、排水を促す

1.流出路再建術

元来の房水の流出路を温存し、流れを良くすることで流出を促進する方法です。流出抵抗の主座である線維柱帯をマイクロフックを用いて切開し、流出抵抗を低下させます。低侵襲であることが利点ですが、眼圧下降効果はある程度限定的で、『ローリスク・ローリターン』の手術と言えます。

流出路再建術

2.濾過手術

流れが悪くなった本来の流出路とは別の場所に流出路(バイパス)を作成し、そこから良好な流出を行う方法です。非常に優れた眼圧下降効果が得られますが、術後の厳密な調整と合併症管理が必要となります。近年はアルコン社のエクスプレス(Express Glaucoma Filtration Device)というデバイスをインプラントする方法が用いられています。この方法は従来の濾過手術と比較して、術後合併症である過剰濾過や低眼圧等の発生を抑制することが可能となり、より安心できる手術となりました。

濾過手術

緑内障の手術は非常に多岐にわたるようになり、どの手術を選択するかは眼圧やその病状や経過、術者の技量などにより決定されます。ひとりひとりの患者さんに合わせた最適な治療、緑内障手術をご提案できればと考えています。

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