院長

白内障手術について皆様からよくいただくご質問に

『白内障手術で老眼は治せますか？』

があります。

『はい、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術や、単焦点レンズでもモノビジョン法により、老眼を治すことがある程度可能です。』とお答えしています。

もともと目がいい方は40代後半以降になると、スマホや本など近くが見えにくくなってきます。遠くに合った焦点から近くを見るときは目の中の筋肉を使ってレンズの厚みを変えるのですが、筋肉の衰えやレンズ自体の柔軟性が低下することで、厚みを変えにくくなるからです。

近視の方も同様で、遠くを見るための眼鏡やコンタクトレンズでは徐々に近くが見えにくくなります。

近視の方は眼鏡やコンタクトレンズを調整したり、遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズに変更することにより、それほど生活を変えることなく対応できます。逆に、もともと目のいい方はずっと『何もしなくてもすべてが裸眼で見えていた』のに、40代後半から急に眼鏡が必要になってくるため、特に煩わしく感じることと思います。

眼鏡やコンタクトレンズ装用以外で、老眼治療としてはいくつかあります。

①多焦点眼内レンズによる白内障手術

②老眼用ICL（眼内コンタクトレンズ）

③老眼用レーシック

④角膜インレー

⑤モノビジョン（ICL、レーシック、白内障手術）：遠方と近方を左右で分けてみる方法

②～④は、原則『白内障』がない方で、ご自身の水晶体（レンズ）は温存しての手術になります。各種いい方法ですが、ご自身の水晶体の加齢変化により度数が変わってくることがありますので、一回の手術でずっと裸眼生活が維持できる訳ではないかもしれません。ICLやレーシックでは光を分割して広く見ようとする仕組みのため、鮮明度がやや低下したり、光の見え方の不具合や見え方に慣れない可能性もあります。また、角膜インレーはピンホール効果（目を細めると見やすくなる仕組み）で幅広く見るようにするものですが、暗く感じたり、効果がある程度限定されます。

白内障があれば、それだけで見えにくくなりますので、白内障の濁りを除去して見やすくすると同時に、老眼も治す『多焦点眼内レンズを用いた白内障手術』がお勧めとなります。ご自身の水晶体を人工レンズに変えますので、年齢的な度数変化も生じにくく（０ではありません）、長期比較的安定して裸眼のみで生活することを目指すものになります。

また、白内障がほぼなくても、老眼治療として『多焦点眼内レンズを用いた白内障手術』も可能です。ただ、白内障がほぼ無いということは、100%近い鮮明度でまだ見えている状態ですので、多焦点眼内レンズでは光を分配してあらゆる距離を見ようとするために、現状よりやや鮮明度が低下する可能性があります。また、光に対する見え方や、多焦点レンズに適応しにくい可能性も少しあります。

また、片目の鮮明度を落とさずに、片目で遠く、もう片目で近くを見る『モノビジョン』法があります。これは片目だけ白内障手術や、ICL、レーシックをする方法です。これも方法の一つですが、左右別々で単独で見ることになるので、慣れない可能性や、遠近感や立体感がやや劣る可能性があります。

老眼は、特にもともと目が良くてすべて裸眼で過ごしていた方には辛いですよね。当院では、ICLやレーシック等の治療は行っておりませんが、『多焦点眼内レンズを用いた白内障手術』はよく行っており、多くの方にご満足いただいております。特に白内障がある方には最適な方法です。

白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。

※『白内障手術についてよくあるご質問』：　

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