白内障手術について皆様からよくいただくご質問に

『白内障を放置するとどうなりますか?』

があります。

 

『白内障を放置しても、ご自身が困らなければ、あまり問題ありません。ただ、いくつか併発症の可能性や注意点があります。とお答えしています。

 

白内障は目の中のレンズ(水晶体)が徐々に濁ることにより、ご自身の見え方が悪くなってくることが一番の問題です。見え方が困らないようであれば手術する必要は必ずしもないのが原則です。

 

ただ、見え方に困らなくても、白内障を放置するといくつか気になることがあります。

 

①眼底病変など、他の病気が見つけにくくなる

②水晶体が膨化すると、急性緑内障発作の可能性がある

③水晶体が溶け出して、炎症を起こす可能性がわずかにある

④ご自身が困らなくても、実は視力低下があり、危ない可能性がある

⑤いざ手術をする場合、手術が難しくなったり、手術の正確性が低下することがある

 

①ご自身が困らなくても、白内障により水晶体が濁ると、目の奥の眼底(網膜など)の病気が観察しにくくなります。緑内障や糖尿病網膜症、加齢黄斑変性など、失明にもつながる重篤な疾患の発症や進行の有無を正確に把握するには、白内障手術が必要な場合があります。

 

②白内障が進行すると、水晶体の厚みが増して、急性緑内障発作を発症する可能性が徐々に高まります。可能性は低いですが、目の状態によっては早めの白内障手術が推奨される場合があります。

 

③これは可能性が低いですが、白内障が高度に進行すると、水晶体のタンパク質が溶け出して目の中で炎症や眼圧上昇を生じ、不可逆的な障害を生じる可能性があります。

 

④ご自身が困らなくても、運転免許取得(更新)には視力項目があり、免許が取れない可能性があります。またそのような自覚のない視力低下があると、運転や普段の行動(障害物を認識しにくく転倒しやすい、など)にも危険を伴う可能性が高まります。

 

⑤白内障が進行した場合、水晶体自体が固くなったり、水晶体が不安定な状態になることで、手術の難易度が高くなる可能性があります。また、混濁により眼内レンズの規格を決定する検査が困難になる可能性もあります。

 

 

上記のことから、ご自身ではお困りがなくても、担当医師に手術を勧められる状態であれば、白内障手術を検討していただいた方が良いかもしれません。

 

 

 

白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。

 

 

※『白内障手術についてよくあるご質問』: 

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