白内障手術について皆様からよくいただくご質問に
『多焦点レンズにすると、眼鏡はいらなくなりますか?』
があります。
『多くの方が眼鏡の要らない生活を送ることができます。ただ、100%ではありません。』とお答えしています。
眼鏡をかけない生活を目指した多焦点眼内レンズですが、残念ながらすべての方が絶対に眼鏡が要らない…という訳ではありません。過去の報告と当院の結果を合わせて考えると、90%以上の方は裸眼で生活できるようになりますが、一部の方は少し眼鏡が必要となることがあります。
この原因としては
①手術時の度数ズレや惹起乱視
②長期での屈折の変化
があります。
①皆さんが遠くから近くまで万遍なく見ることが出来るよう、眼内レンズの度数を計算して決定するのですが、特に近視が強い、遠視が強いなどがあると『度数ズレ』という焦点距離(ピントの位置)が計算とズレることがあります。また、目の中での眼内レンズの微細な固定位置の変化によっても生じる可能性があります。さらに手術で目にメスを入れる訳ですが、その傷の治り具合の個人差から、乱視が生じたり、屈折が変化する可能性があるのです。
②長期で身長や顔が変化してくるように、目の大きさや表面の形状が変化することにより、目の焦点距離(ピントの位置)や乱視度数が変化してきて、眼鏡が必要となる可能性があります。
このように多焦点眼内レンズでも術後眼鏡が必要となる可能性が一部有り得ることはご了承いただければと存じます。術後見えにくい距離があった場合、眼鏡を掛けないとすると、コンタクトレンズ装用やレーシックによる度数調整、または眼内レンズの入れ替えなどの手術で対応できる場合もあります。
それ以外にも、多焦点レンズの場合には、光の見え方の不具合(グレア・ハロー・スターバーストなど)や、多焦点レンズ自体に合わないために見えにくさを感じることも稀にあります。
それでも多くの方は眼鏡が要らない快適な生活を送られていますので、その生活を望まれる方は多焦点眼内レンズをお勧めしたいと思います。
白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。
※『白内障手術についてよくあるご質問』:
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