白内障手術について皆様からよくいただくご質問に

『選定療養とは何ですか?』

があります。

 

『多焦点レンズに関して分かりやすくお話すると、これまで自由診療で高額であった多焦点レンズを用いた白内障手術が、一部保険が効いて比較的費用を抑えることが可能になった制度です。とお答えしています。

 

 

元来の原則でお話すると、『選定療養とは、社会保険に加入している方が追加費用を負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療サービスの一種である。健康保険法で規定されており、保険外併用療養費制度に基づいたサービスである。』ということになります。

 

少し難しい説明ですね。少し分かりやすく説明すると、白内障手術の際に多焦点眼内レンズを入れることにより「眼鏡を装用する率が下がる効果」が認められ、選定療養となりました。これまで保険適応ではなく高額な自由診療であったものが、選定療養となることで『保険診療分+差額レンズ費用等』と一部保険が効くことで費用が抑えられることになりました。

 

※『差額レンズ費用等』の金額は、クリニックにより異なりますので、お問い合わせいただけましたらと存じます。

 

 

【例】1割負担の方の場合(国内認可多焦点レンズ:TECNIS Synergy)

これまで:自由診療…片目 50-60万円(術前検査や術後3ヶ月の検査薬剤費用を含む)

選定療養片目 約31万5千円(保険診療分 約1万5千円+差額レンズ費用等 30万円(当院の場合です)

 

図で説明すると下記のようになります。(当院の場合です)

 

これまで保険では認められず、高額な自由診療であった『多焦点眼内レンズ』が、この制度により比較的費用を抑えて受けていただけるようになりました。手術を受けていただく皆様にとってはとても良いことだと思います。

 

ただし、多焦点眼内レンズを『選定療養』で希望される場合、気を付けておかなければならない点があります。

 

①眼内レンズの入れ替え等の再手術は保険診療とならず、自費となること

②選定療養の対象は、国内で認可された多焦点レンズのみに限られること

 

①すべてのレンズで生じうる『度数ずれ』や、わずかですが多焦点レンズ特有のデメリット『光の見え方の不具合』『鮮明度の低下』『合わない』等でレンズの入れ替えを希望される場合には保険は効かず、自費での手術となります。

 

②あくまで日本で認可された多焦点レンズに限られ、遠くから近くまで見ることが可能なレンズとしては、Alcon社製『Clareon PanOptix(クラレオン・パンオプティクス)』とAMO社製『TECNIS Synergy(テクニス・シナジー)』となります。

 

 

 

白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。

 

 

※『白内障手術についてよくあるご質問』: 

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