白内障手術について皆様からよくいただくご質問に
『すでに白内障手術を受けてますが、多焦点レンズに入れ替えることはできますか?』
があります。
『術後早期であれば、入れ替えは可能ですが、あまりお勧めしておりません。入れ替え手術は、手術の精度がやや低くなり、また鮮明度では単焦点が勝るため、ご満足いただけない場合も多いためです。特に他院でされた手術は状況が分からないため、難しいです。』とお答えしています。
昔は一ヶ所にはピントが合いますが、その距離から離れるとメガネなどが必要であった『単焦点眼内レンズ』しかありませんでした。ですので、近くのスマホや読書・新聞を読む時などにメガネが必要だったり、逆に運転のときなどの遠くを見るときにメガネが必要だったりされる方も多いかと思います。
近年、焦点が数カ所あり、ほとんどメガネの必要がない『多焦点眼内レンズ』が登場し、メガネ無しで日常生活が送れるようになることで快適な生活が可能となってきました。昔単焦点レンズを入れられて、時々メガネを使われる生活に慣れていてお困りがない方が多いと思いますが、どうしてもメガネから開放されたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
昔の白内障手術で目の中に入れられた『単焦点眼内レンズ』を『多焦点眼内レンズ』に入れ替えることは、術後早期であれば可能ですが、あまりお勧めしておりません。2回目の手術はやや難易度が高く、手術や術後の焦点距離の精密度が低くなり、また一度単焦点レンズで鮮明な見え方になった後ですと鮮明度が劣る多焦点レンズでは不具合を感じる可能性があること、また多焦点のデメリット(光の見え方の不具合、合わない、など)もあり、総合的に満足されない方も多いからです。
そのような様々なリスクを踏まえても、どうしても裸眼のみで生活することを目指す場合には、
①多焦点レンズに入れ替える
※ただし、術後早期限定であること、また鮮明度が落ちるなどのデメリットもあります
①片目だけ焦点距離を変えることで、片目で近く、反対の目で遠くを見るようにする(モノビション法)
※ただし、左右別々に見るため、その左右差に慣れないなどの可能性があります
②アドオンレンズによる手術を行う
※ただし、同様に光を分割して見るようになるため、鮮明度が落ちることや、その見え方に慣れない、光の見え方の不具合などの可能性があります
などが推奨されるかと思います。
白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。
※『白内障手術についてよくあるご質問』:
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※『福岡白内障専門サイト』:
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