白内障手術について皆様からよくいただくご質問に
『多焦点レンズが合わなかったら(不適応)、どうしますか?』
があります。
『多くの方は問題ありませんが、一部多焦点レンズが合わない(不適応)方がいらっしゃいます。その場合に慣れずにどうしてもお困りであれば、単焦点レンズに入れ替えます。』とお答えしています。
白内障手術で使用する『多焦点レンズ』は、術後にメガネなどを一切使わずに裸眼だけで生活することを目指したレンズです。多くの方がそのメリットを享受され、ほぼメガネなどを使わずに、裸眼だけで生活できるようになっています。
この『多焦点レンズ』は光を分割して各距離の映像を脳に伝達する仕組みですが、いわば複数の映像が一度に情報として入り、そのうちの鮮明な映像を脳で選別して見ることになるため、そのような仕組みが苦手な方が一部おられます。
この場合、『なんとなく見にくい』『もやっとした感じ』など、見え方の不快感を感じ、慣れなければそのようなお困りが継続することになります。慣れずにお困りが続くならば、単焦点レンズに入れ替えることを検討いたします。
入れ替えについては以下の注意点があります。
①多焦点レンズを挿入されて長期時間が経つと、入れ替え手術が困難となる
②選定療養で多焦点レンズを入れられた方は、入れ替え手術は自費になる
③入れ替えの手術は難易度がやや高く、2回目の手術となり、目への負担で見えにくくなる可能性がある
①目の中に挿入されたレンズは、短期間では入れ替えが容易ですが、長期間経過すると目の中で周りの組織との癒着が生じ、入れ替えが困難であったり、入れ替えられてもその焦点距離の精度が落ちることがあります。ですので、もしレンズの入れ替えを検討される場合には、可能な限り早めにされることをお勧めします(3ヶ月程度)。
②選定療養で手術された場合、『合わない(不適応)』、または度数ズレ等で見え方に不具合が生じ、レンズの入れ替えをされる場合は、保険は効かず、すべて自費での手術になります。単焦点であれば15万円程度、多焦点であれば40-60万円程度です。
③レンズを入れ替えるということは、2回目の手術となり、目への負担が増えることや、また手術もやや難易度が高く、100%上手くいくとは限らず、見え方が悪くなることもありますので、慎重に検討されることをお勧めします。
上記のことから、
多焦点レンズが合わなかった場合、単焦点レンズへの入れ替えが早期であれば可能です。選定療養で手術をされた場合は、入れ替え手術は保険は効かず、自費での手術になります。ただ、できる限り2回目の手術はされないほうが良いと考えますので、レンズ選びは慎重にされることをお勧めします。
白内障および白内障手術については、当院ホームページの各項目や、『院長ブログ』に『よくあるご質問』としてまとめさせていただいております。また『福岡白内障専門サイト』に動画を交えてご案内もさせていただいております。個別のご相談がございましたら、ホームページの『お問い合わせ』からメールを頂けましたら、数日以内に回答させていただきます。ご来院・受診していただけますと、目の状態も含め、直接お話させていただきたいと思います。
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